Teddi King – Now In Vogue | きっかけはストーリーヴィルとニューポート

Teddi King - Now In Vogue
目次

ジョージ・ウェインのプロデュース

こちらの作品は1955年の吹き込み。ボストンのジャズクラブ&レーベル「Storyville」を設立し、アメリカで最も有名なフェスのニューポート・ジャズ・フェスティバルの創設者のジョージ・ウェインのプロデュースによる、テディ・キングの3枚目のレコード。

全体を通して何か強いアクセントがある訳でもなく、バックの演奏もここが!みたいなところはないのですが、当時20代半ばながら安定したピッチとしっかりとした技術と訓練に裏打ちされた彼女のさりげなく優しい歌声。よくよく聴くとキュートだし癒やされるし、嫌味がまったくないので何度でも繰り返し聴いてしまいます。

プロの歌い手に

テディは1929年ボストン生まれ。高校卒業後、演劇俳優として有名な父ロイ・キングと共にショーに加わり旅をするようになります。そしてミュージカル「ピーターパン」で人魚の唄を歌う一員となり、ダイナ・ショア主催のコンテストで優勝してきっかけを掴み、しばらく放送や舞台で活躍する傍ら唄のレッスンを積んだ後、ジョージ・グラハム、ジャック・エドワーズ楽団、ナット・ピアースのコンボに加わりプロの歌い手に。その後ジョージ・シアリングに認められ専属シンガーとして1952年7月から翌年3月まで活躍。その直後にストーリーヴィルにて1作目を吹き込むことになります。
 

フェスの出演がきっかけ

しかし50年代中頃からは吹き込みがなくなり、60年代はしだいに彼女の存在は忘れられて行くようになってしまいます。そんな中1973年にジョージ・ウェインのニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演。再び思いもよらぬ脚光を浴びることになります。

こちらの盤はそんなこともあってかの1974年の国内再発盤。オリジナル盤はなかなか手に入りませんし、この再発盤がなければ自分も彼女の魅力に気づいていなかったかもしれません。よい作品は演者はもちろんですが、よいプロデューサーがいてこそ生まれますね。

ちなみストーリーヴィルに吹き込んだ1枚目と2枚目は10インチ盤でしたが、それもその後再発しました。テディ・キングといえばストーリーヴィルといわれるだけの3枚とも素晴らしい作品です。


Teddi King – Now In Vogue
テディ・キング – ナウ・イン・ボーグ

Storyville

  1. Why Do You Suppose
  2. Over The Rainbow
  3. This Is Always
  4. Fools Fall In Love
  5. I Didn’t Know About You
  6. I’m In The Market For You
  7. You Hit The Spot
  8. Something To Live For
  9. You Can Depend On Me
  10. Old Folks
  11. Like A Ship Without A Sail
  12. You Turned The Tables On Me

Teddi King (vo)
Nick Travis (tp)
Gene Quill (as)
Sol Schlinger (bs)
Bob Brookmeyer (tb)
Billy Taylor (p)
Milt Hinton (b)
Osie Johnson (ds)

Produced by George Wein

Recorded 1955

Teddi King - Now In Vogue

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この記事を書いた人

海と山と畑に囲まれて、糸島の片隅で音楽を聴いています。中古オーディオとレコードの買取、整備、販売を仕事としています。

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