LUXKIT A3032 & A3000 | 長期保管品を復活させる

LUXKIT A3032 真空管プリアンプ、LUXKIT A3000 真空管モノラルパワーアンプペア、買い取らせて頂きました。

ただ、ほとんど使わずに40年くらい(!?)保管していたとの事で、メンテナンス必須な状態。
ですが、考え方によってはデッドストックに近くかなり貴重なのでは、、、しっかり整えていきます。

目次

LUXKIT A3032 のメンテナンス

A3032は1976年11月発売、双3極管7本を使用したLUXMANの管球コントロールアンプCL32をそのままキット化したプリアンプキット。天板にかなり汚れが蓄積されておりましたが、ていねいにクリーニングしたら綺麗になりました。内部は全然汚れがなく、サビもほぼなく、目立つ傷もなく、保管環境が良かったんでしょうね。

電解コンデンサを交換

とりあえず電源を入れる前に、電解コンデンサは全交換です。
電解コンデンサは使っていても寿命が来ますが、放置状態でも劣化してしまうようです。

念のため蓄電がないかテスターでチェック、放電してから進めます。
こちらはコンデンサのESR及び静電容量の測定器。サクサク測れるので超楽。しかも蓄電が数10V以下であれば放電もしてくれちゃう優れもの。

ハンダを吸い取って、電解コンデンサを外していきます。フィルムコンデンサ等は熱などのダメージがなければ、基本的には放置状態での経年劣化の概念はないようなので、クラックなどの物理的な不良が無いかを各部凝視して確認し、測定値にも問題は無いのでオリジナルキープでそのまま。

用意したコンデンサはこちら。
ニチコン 350V 33μF ×4
ニチコン 450V 47μF ×6
東信工業 Jovial UTSJ 25V 3300μF ×2

ブロックコンデンサは入手困難なので、同じ容量と耐圧の並列接続で代用。

電源インレット、ツマミ、ヒューズを交換

ついでに電源インレットを2芯から3芯仕様に交換。
信頼のフルテック製、ロジウムメッキ処理のFURUTECH INLET-R。
サイズピッタリで簡単に交換できました。

ついでに、ツマミも交換。ヒューズも新品に交換。

各部電圧チェック、波形チェック

取り付け完了。
おそるおそる電源投入。各部電圧チェック、大丈夫でした~。。(汗)
スマフォとポケットオシロでの簡易チェックですが、左右の差異もなく波形も問題なさそう。

ガリの解消

チェック用のパワーアンプとスピーカーに繋いで接点チェック。
ヴォリューム以外のツマミやスイッチに少しガリがありましたが、汚れやサビが原因というよりは単純に乾いてしまっているという感じ。分解の必要なく潤滑剤を接点にピンポイントで少しだけ注射してカチャカチャぐるぐるして解消。ちなみにスプレー式の接点復活剤は基盤などに吹きかけてしまうと故障の原因になるので使わない方が無難です。

整いました。いいじゃないいいじゃない。♪

LUXKIT A3000 のメンテナンス

A3000は1975年2月発売、大出力用3極出力管8045Gやドライバ管、出力トランスなどの新しい素材の開発と、これらを生かす回路技術を駆使した管球式モノラルパワーアンプキット。A3045と同じ回路、翌年販売の完成品はMB3045。こちらも汚れを落としたらかなり綺麗な状態でした。

電解コンデンサの交換

電解コンデンサは交換です。既にあやしい状態のようです。
念のため放電してから、外していきます。


交換するコンデンサは、同じ耐圧350Vの適当なものが見つからなかったので、ちょい耐圧アップの折角なのでドイツ製のオーディオグレード。F&T社 500V 22μF ×8

大型ブロックコンデンサも交換したいところですが、ESRと静電容量は概ね良好の範囲内なのでデザインキープで継続使用。フィルムコンデンサなどもそのままオリジナル。

ターミナル端子、電源インレット、ツマミ、ヒューズを交換

ターミナル端子は元の物は使い勝手が悪いので、バナナも使えるものに交換します。プラ板を専用カッターでカットして、ヤスリで削って、ドリルで穴を開けて、同じサイズの板を作成して取り付け。端子間の幅がちょっと狭いけどやむを得まい。

プリと同じく電源インレットを3芯仕様に交換、ツマミ、ヒューズも交換。

各部電圧チェック、波形チェック

取り付け完了し、こちらもおそるおそる電源投入。回路図を見ながら各部電圧チェック。
ダミーロードを接続して波形チェック。左右で差異もなく問題ないようです。(涙)

バイアスを調整

最後にバイアスを再調整。底面に調整方法が書いてあるので、そのとおりに適正値の0.75Vにセットして、整いました!

スピーカーに繋いで、音出しチェック

最後にプリとパワー、スピーカーを繋いで、少し暖めてから音のチェック。
う~んグッとくる球の艶ですね。鮮やかにめちゃ良い音で鳴っています。リニアイコライザやローカットもしっかり機能しています。変なノイズはなし。無音は無音。トランスの唸りもなし。
動作チェックも兼ねて少しエージングした方がよさそうなので、数日は長時間音出しをしてから出品したいと思います。

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この記事を書いた人

海と山と畑に囲まれて、糸島の片隅で音楽を聴いています。中古オーディオとレコードの買取、整備、販売を仕事としています。オーディオマニアではありません。ただの音楽好きです。

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