QUAD 11L Classic Signature スピーカー、福岡県早良区にて出張買取させて頂きました。ありがとうございます!
クオードというと真っ先に頭に思い浮かべるのはヴィンテージ。小型のアンプの33や44、そして電源付きの静電型スピーカーでしょう。電源周りの部品の劣化や振動板がとても繊細な作りでもあり、かれこれ製造から何十年も経っているので、自分が出会ってきたスピーカーはノイズが出てしまっているものが殆どではありましたが、その唯一無二な素晴らしい音を聴いた時の感覚は今も強く残っています。
今回お譲り頂いたこちらのスピーカーは2011年の発売で、音響デザインディレクターにピーター・コモー氏を迎え製作されたシリーズ第3世代目。前身の2004年発売の11Lの後継機です。11Lは元セレッションの技術者が開発に関わっているとのことで妙に納得。とてもイギリスっぽい上品な音質です。国や地域で音の評価を分別するのはいささか乱暴ではありますが、やはりイギリスらしさはあるのですよね。
前オーナー様はちょっと元気が足りないということで、別のスピーカーを検討するために手放されたようですが、確かに元気は足りない印象。でもけっしてウィークポイントではなく、これは逆にストロングポイントでもあって、飛び抜けているところがない分、そもそもそれほど大きい音量でガンガン聴く前提でないブックシェルフとしては、とても控えめで聴くソースも選ばないので好印象とも思えます。誠実な音。あえての思惑通りの設計なのかなと感じます。
いろいろとこのスピーカーについてのレビューを見ていると、アンプを選ぶという意見も多数見られましたが、その通りかなとも思いました。やや重心が低めではあるけれどもそれほど下まで輪郭がなく、高域はたぶんアンプ次第でキツくもなるし足りなく感じる場合もあるかもしれません。中域は癖がなくまとまりも良いので、どこをどうしていくかは好みでもありますね。
そうそう、なんだか理由なく嬉しくなってしまうのは、その伸びしろを感じてしまうところです。エージング次第で落ち着きもだいぶ変わっていくらしい。いろいろと試すにも高価過ぎないので、人を選ばない一般のユーザーライク。いいスピーカーですね。