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Mark Levinson No.29L 買い取らせて頂きました。
1990年に発売、No20.5Lのノウハウを投入して開発されたデュアルモノラル構成のパワーアンプ。電圧増幅段とドライバー段はA級動作で出力段はAB級動作。躯体自体もそれほど重くなく、出力も50W+50W(8Ω)とそれほど大きくない。でも弩級のNo20.5L譲りの音質は健在。出力が大きくないと言ってもドライブ感は十分。(逆に低出力設計故に得られた他機種にはないスピード感かも?) スカッとした広い空間にキラリと光るきめ細かさ、なによりレビンソン独特の体に染み込むような重心の低いしっとり感が心地よい。素晴らしいアンプですね。
どこまでが本来のレビンソンの音か
さて、こちらのNo.29L、本来のレビンソンの音はここまでと言う方も少なくありません。この時期以降から音の傾向は変わっていきます。(決して悪い意味ではなく。)
もっと言えば、1984年に創始者のマークレビンソンさんは「Cello」という新ブランドを立ち上げて去ってしまったので、80年~90年代初頭のNoシリーズより、1970年代からのLNP2~JC~MLシリーズまでがレビンソンだと言う方も少なくありません。ディック・バウエン、ジョン・カール、トム・コランジェロというエンジニアと切磋琢磨していた時代までだと。
妥協なきプロデューサーと技術者。強力なタッグ。なんだかブルーノートのアルフレッド・ライオンとフランシス・ウルフみたい。お互いの仲や関係性は違えど、最初に始めた理由が自分のためにというところが一緒ですね。そしてどちらも一人では今日に至るまでの偉業は成し得なかったでしょう。
マークレビンソンのドキュメンタリー映画作ってほしいですね。いろいろと逸話があり面白そうです。60年代のベーシストの頃まで遡って現在から未来も含めて。世界中のオーディオファンが見るはず。若いファンも増える。音楽も溢れる。いいこと尽くし。