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1956年3月吹き込みのソニー・ロリンズのリーダー作。メンバーはブラウン・ローチ・クインテットのグループです。1955年11月から僅か6ヶ月しか活動は出来ませんでしたが、その間に残された2枚のアルバム「ベイズン・ストリートのブラウン・ローチ」と、もう1枚がこの作品です。
名義はプレスティッジとの契約の関係でソニー・ロリンズとなっていますが、実質はこのレギュラー・グループのアルバムであり、最後の演奏となりました。
内容はクリフォード・ブラウンが溌剌としたブリリアントなソロを聴かせてくれる一方、ロリンズはまだあの圧倒的な存在感はなく少し引っ込み気味かもしれません。大学で数学と音楽を学び、まったく麻薬をやらないブラウンの前では、ロリンズは遠慮か緊張かうまく演奏が出来なかったとも言われております。
この年1956年はロリンズの絶好調の名盤「サキソフォン・コロッサス」が録音された年でもあります。その日付は6月22日。そしてジャズ界の大事件、クリフォード・ブラウンとバド・パウエルの実弟リッチー・パウエが交通事故で他界してしまうのは、6月26日。もし録音が遅れていたらきっとこの名作は生まれなかったでしょう。
そしてこの半年の濃密な時間が、ロリンズの半生の中でも最も重要な日々であった事は作品が物語っていますね。
ロリンズとブラウンは共に1930年生まれ、この時25歳。生と死のまったく別の運命を辿ることになってしまいましたが、この作品に残された共演の輝きはいつ聴いても消える事はありません。
Sonny Rollins – Plus 4
ソニー・ロリンズ – プラス・フォー
Prestige
- Valse Hot
- Kiss And Run
- I Feel A Song Comin’ On
- Count Your Blessing Instead Of Sheep
- Pent-Up House
Sonny Rollins (ts)
Clifford Brown (tp)
Richie Powell (p)
George Morrow (b)
Max Roach (ds)
Supervised by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1956.3.22