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ピート・ラロカは1938年生まれのドラマー。50年代後半よりソニー・ロリンズやジャッキー・マクリーンとの共演を経て名を知られるようになります。こちらの作品は65年録音の初リーダー作で唯一のブルーノート作品。
フロントにはジョー・ヘンダーソン。すでにヘンダーソンのリーダー作「ページ・ワン」などでも共演しているので息はピッタリ抜群の安定感。ピアノのスティーヴ・キューンと、ベースのスティーヴ・スワロウも、ラロカが参加していたアート・ファーマーのバンドのメンバーなので、各々音楽性は良く理解しているのでしょう、ラロカの自由自在でユニークで魅力的なドラミングがどこまでも違和感なく溢れていきますね。
ワン・ホーン・カルテットなのでジョー・ヘンダーソンのプレイに耳がいってしまいますが、キューンとスワロウの演奏もとてもシュッとしてして素敵です。後半にいくにつれ音の厚みが増していきますが、オーバーにならないテンションをキープ、大人ですねぇ。4人のバランスがこれ以上ない程。
アルバム・タイトル曲でもある4曲目の「バスラ」はラロカのオリジナル。イラク南部の都市の名前です。中近東やインドなどの音楽にも強い関心があったらしく、アルバム全体にエキゾチックでアブストラクトな独特の雰囲気が絶妙なスパイスになっています。
エキゾチックな雰囲気でリーダーはドラムと聞くとかなりクセのありそうな演奏を思い浮かべますが、玄人向けの作品という訳ではないですね。新主流派の時代にしてメインストリームをいく最高峰の1枚です。
Pete La Roca – Basra
ピート・ラロカ – バスラ
Blue Note
- Malaguena
- Candu
- Tears Come From Heaven
- Basra
- Lazy Afternoon
- Eiderdown
Pete La Roca (ds)
Joe Henderson (ts)
Steve Kuhn (p)
Steve Swallow (b)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1965.5.19