John Coltrane – Coltrane Time 強烈にズレる。 それぞれの解釈でのフリーへの展開の予感。

  バラバラというかなんと言うか。最初っからセシル・テイラーのコードが強烈です。他のメンバーとの交わらなく、コルトレーンは別次元の方向に進んでいる感じだし、ケニー・ドーハムの真っ直ぐバップなブロウは窮屈な感じだし、そしてチャック・イスラエルとルイス・ヘイズの参加も不思議。でもこの作品はそこに注目していくと、だんだん面白くなってくる、不思議な緊張感が漂ってくる、ゾクゾクしてくる、でも合う時は合う、んで何回も聴いてしまう。そんな作品です。
 

John Coltrane - Coltrane Time
 

 録音は1958年10月、セシル・テイラーのリーダー作としては58年6月の「Looking Ahead」に次ぐ4作目です。
そうそう、この作品は実はタイトルは「コルトレーン・タイム」ですが、元々はピアノのセシル・テイラーがリーダーとして1958年に録音されたものでした。しかもそのタイトルはモノラルは「Hard Driving Jazz」で、ステレオが「Stereo Jazz」でジャケットのデザインも違うものでした。
売れなかったんでしょうかね。ジャケットデザインもいまいちですしね。当時注目株であったコルトレーンの作品という事になっちゃったのです。
 

 という訳で、セシル・テイラーも面白いのですが、やっぱりコルトレーンを聴いてしまいます。ハード・バップからモードを経てフリーへの過渡期、シーツ・オブ・サウンド完成目前の時期。グイグイきます。カッコイイです。
そして時代はハード・バップ全盛の時期ですが、セシル・テイラーもコルトレーンもそれぞれの解釈でのフリーへの展開を予感させます。貴重な出会いになりました。 

John Coltrane – Coltrane Time
ジョン・コルトレーン – コルトレーン・タイム

 United Artists 

  1. Shifting Down
  2. Just Friends
  3. Like Someone In Love
  4. Double Clutching

Shifting Down (ts)
Just Friends (p)
Kenny Dorham (tp)
Chuck Israels (b)
Louis Hayes (ds)

Produced by Tom Wilson
Engineer – Fernando Vargas

Recorded 1958.10.13

John Coltrane - Coltrane Time

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この記事を書いた人

海と山と畑に囲まれて、糸島の片隅で音楽を聴いています。中古オーディオとレコードの買取、整備、販売を仕事としています。

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