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ブルノート・レーベルの影の立役者、アイク・ケベックの生涯最高の作品とも言われるアルバムです。低くゆったりと響くテナーは、一聴してその音に包み込まれます。
演奏はとてもメロディックで親しみやすく、派手にアドリブで走ったりオーバーブロウになることはなく少し控えめで、とても品格があります。単に聞きやすいムードジャズという訳ではなく、聴き手に対する思いやりがあるような演奏です。フレディ・ローチのオルガンのシングルトーンも美しいです。
ケベックはテナー・サックス奏者でありながら、スカウター、ディレクター、そして運転手!?という様々な顔を持ち、アルフレッド・ライオンやルディ・ヴァン・ゲルダーからの信頼もとても厚かったようです。いつもそのRVGスタジオでレコーディングが行われる時には、マンハッタンからミュージシャンをニュージャージーまで送り届けていたらしいです。そしてセロニアス・モンクやパド・パウエルをライオンに紹介したのは彼だとか。さらにサックスを手にしたのは1942年だそうですが、それまではピアノやダンサーとして活動していたというから驚きです。多彩な才能を持っていたのですね。
Ike Quebec – It Might As Well Be Spring
アイク・ケベック – 春の如く
Blue Note
- It Might As Well Be Spring
- A Light Reprieve
- Easy, Don’t Hurt
- Lover Man
- Ol’ Man River
- Willow Weep For Me
Ike Quebec (ts)
Freddie Roach (org)
Milt Hinton (b)
Al Harewood (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1961.12.9