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1968年録音。常に実験を繰り返し、現代に至るまでジャンルを飛び越して沢山のミュージシャンに影響を与えているハンコックですが、既にこの時こんなとんでもない曲を作っていたなんて驚きでもあり、今聴いても前衛的な感覚すら感じます。
編成はピアノ・トリオに3管を加えた形。3管がしかもフリューゲル・ホーン、バス・トロンボーン、アルト・フルートという編成で、バックでしっとりと曲全体を染めていくような淡い浮遊感たっぷりな演奏。その上にピアノが主役としてソロをとっていきます。実は長いキャリアの中でもピアノが主役となっている作品はあまりなく、この作品は作曲・編曲者としても優れているハンコックの、ピアニストとして、ピアノ作品として、1番の作品では無いかと思います。
作品のテーマは『子供のように話そうよ』。大人になった事で失ってしまったものとか、その頃の気持を取り戻したいと願っているもの、純粋な気持ちを取り戻せたなら、希望や可能性を見い出せるんじゃないかな。というテーマ。それを少し感じながら聴くと、また違った側面の、このアルバムの素晴らしさが見えてくるかも知れません。
ちなみにジャケットの素敵な写真は、若き日のハービー夫妻です。
そして裏はこちらの写真。
Herbie Hancock – Speak Like a Child
ハービー・ハンコック – スピーク・ライク・ア・チャイルド
Blue Note
- Riot
- Speak Like A Child
- First Trip
- Toys
- Goodbye To Childhood
- The Sorcerer
Herbie Hancock (p)
Jerry Dodgion (fl)
Thad Jones (flh)
Peter Philips (btb)
Ron Carter (b)
Mickey Roker (ds)
Produced by Duke Pearson
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1968.3.6 (1-3) / 1968.3.9 (4-6)