Herbie Hancock – Maiden Voyage 才能を開花させていくハービーの大傑作。

ハービー・ハンコックがマイルス・デイビスのクインテットに抜擢された1963年から約2年後の1965年に、そのクインテットのリズム陣そのままの編成とトランペットにマイルスの弟分フレディ・ハバードと、サックスにジョージ・コールマンを迎えて録音された作品です。
「処女航海」は元々男性化粧品のCMとして書かれた曲だったようですが、タイトル通り初めての海へ航海するかの如く時代の先端を行く、そして時代を超える新主流派の大名盤となりました。
 

Herbie Hancock - Maiden Voyage
 

 曲は全てハービーの書き下ろし。モード・ジャズ(コード進行からの開放)を生んだマイルスの元で才能を開花させていきました。モードは制約がない分演奏者の力量が試される訳ではありますが、まだ若いハービーからは溢れるように新鮮なフレーズやハーモニーが次から次へと生まれていきます。
他のメンバーも流石の一流揃いで全体の世界観やストーリーをしっかり紡ぐコントラスト鮮やかな演奏。今聴いても新鮮で新しい雰囲気があります。
 

この録音の約4ヶ月前にマイルスのクインテットは「E.P.S」をリリースしております。ボスマイルスの元での演奏と、ハービー自身の作品での演奏の色彩や筆のタッチの違いを比べるのも面白いかもしれません。
 

そしてこの後70年代以降にもファンクやフュージョンなど更に多彩なジャズを生んでいきます。新しい大陸を目指して航海し続けるように旅を続けるのでした。

Herbie Hancock – Maiden Voyage
ハービー・ハンコック – 処女航海

 Blue Note 

  1. Maiden Voyage
  2. The Eye Of The Hurricane
  3. Little One
  4. Survival Of The Fittest
  5. Dolphin Dance

Herbie Hancock (p)
Freddie Hubbard (tp)
George Coleman (ts)
Ron Carter (b)
Anthony Williams (ds)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder

Recorded 1965.3.17

Herbie Hancock - Maiden Voyage

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

海と山と畑に囲まれて、糸島の片隅で音楽を聴いています。中古オーディオとレコードの買取、整備、販売を仕事としています。

目次