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父が牧師という環境で育ったドナルド・バードは、幼少期よりゴスペルやニグロ・スピリチュアルといった宗教的な音楽の影響を強く受けておりました。そんな精神的ルーツの集大成として、1963年に男性4名女性4名の8名の混合コーラスを迎えて制作された作品がこちらです。
タイトル通り「新しい視点」。それまでのモダン・ジャズに立脚した荘厳なソウルフルなサウンドになりました。
メンバーはハンク・モブレーのテナーに、ケニー・バレルのギター、ハービー・ハンコックのピアノとブルー・ノートお馴染みの豪華メンバー。そして注目の参加がバードがマンハッタン音楽院にて出会ったヴァイヴのドナルド・ベスト、独特のスピリチュアルな雰囲気を生むアクセントになっております。
アルバム全体のアレンジは、バードの盟友デューク・ピアソン。元々ピアニストとして活動しておりましたが、この作品の頃よりアレンジャーとして頭角を表すようになり、ブルー・ノートのスカウター、プロデューサーも担当するなど多方面で活躍します。
この作品は当時あまり高い評価をもって迎えらなかったようですが、後にアメリカで黒人が亡くなったときなど必ずと言っていいほど使われる事になりました。マーティン・ルーサー・キングの葬式にも使われたそうです。
バードの数々の名盤の中で、黒人文化のなかでは最もポピュラーな作品なのかもしれませんね。
ジャケットもカッコイイです。まさにニュー・パースペクティブ。
Donald Byrd – A New Perspective
ドナルド・バード – ア・ニュー・パースペクティブ
Blue Note
- Elijah
- Beast Of Burden
- Cristo Redentor
- The Black Disciple
- Chant
Donald Byrd (tp)
Hank Mobley (ts)
Kenny Burrell (gt)
Donald Best (vib)
Herbie Hancock (p)
Butch Warren (b)
Lex Humphries (ds)
Arranged by Duke Pearson
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder