Duke Jordan – Flight To Jordan 渡欧前に残した不遇の時代の名盤。

 哀愁のピアニスト、デューク・ジョーダンの全曲自作による1960年録音のブルーノート唯一のリーダー作です。フロントの2管にはトランペットのディジー・リースと、テナーサックスのスタンリー・タレンタイン。ブルージーな曲を最大限引き出しています。
 

Duke Jordan ‎– Flight To Jordan
 

 日本人は哀愁が好きですからね。昔からわびとさびの文化があるからなのですかね。この作品はそれでいて力強く、センチな感じだけではない芯のある作品です。なにせ全曲自分で書いた曲ですから思い入れも相当なのでしょう。
特に難しい技術や理論という感じでもなく、ハード過ぎず落ち着きすぎず、曲がシンプルでとても良いです。特に左手の優しいバッキングと音色がとても心地良いです。
 

 ジョーダンはこの作品をリリースした当時、素晴らしい作品にもかかわらず過小評価にあって、ジャズ人気に翳りが見えて来た時期でもあった為か、十分にミュージシャンとしての仕事がなく、タクシーの運転手をやりながら生計を立てていたようです。そしてそんな生活が嫌になって、新天地を求めて1963年に渡欧するのでした。

そして1970年代に入って驚異の復活をし、ヨーロッパを拠点に勢力的に活動を開始します。そして過去の過小評価を払拭していくことになるのです。その移住先デンマークでは小さなSteeple Chaseというレベールを押し上げ、30枚以上の作品を残しています。トリオでの作品「Flight To Denmark」も超名盤となりました。移住は正解だったのかも知れませんね。

Duke Jordan – Flight To Jordan
デューク・ジョーダン – フライト・トゥ・ジョーダン

 Blue Note 

  1. Flight To Jordan
  2. Starbright
  3. Squawkin’
  4. Deacon Joe
  5. Split Quick
  6. Si Joya

Duke Jordan (p)
Dizzy Reece (tp)
Stanley Turrentine (ts)
Reggie Workman (b)
Art Taylor (ds)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder

Recorded 1960.8.4

Duke Jordan ‎– Flight To Jordan

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この記事を書いた人

海と山と畑に囲まれて、糸島の片隅で音楽を聴いています。中古オーディオとレコードの買取、整備、販売を仕事としています。

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