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1972年録音。カモメが羽ばたいているジャケットなので、通称『カモメ』と呼ばれています。ジャンルを超えて70年代音楽史に残る名盤ですね。
名義はチック・コリアですが、実質はチック・コリアとベースのスタンリー・クラークを中心に、ドラムのアイアート・モレイラとヴォーカルのフローラ・プリム、サックス・フルートのジョー・ファレルを加えたバンドです。
静かで幻想的なフェンダーローズの立ち上がりから、ラテンを基調にした複雑なリズムが絡みあい、フローラの透明感溢れるボーカルが絶妙なタイミングて浮遊する。
60年代のフリージャズの流れから、フュージョンへと新しい時代の幕開けを感じさせる内容です。
特にお気に入りは4曲目。20分を超える組曲で後半の抑揚感、楽器、歌のそれぞれの展開が一つに繋がって行く。素晴らしい構成です。
このアルバムの登場により、かつてのスイング、ビーバップ、ハードバップ、その後のフリージャズなどの表舞台のジャズが衰退し、70年代はジャズの暗黒時代に移ったとも言われております。
もちろんそんな時代にもストイックなジャズ・プレイヤーが数多くいるのですが、それを追っていくとまた面白いのです。
Chick Corea – Return to Forever
チック・コリア – リターン・トゥ・フォー・エヴァー
ECM Records
- Return To Forever
- Crystal Silence
- What Game Shall We Play Today
- Sometime Ago – La Fiesta
Chick Coreatp (p)
Joe Farrell (ss,fl)
Stan Clarke (elb,b)
Airto Moreira (ds,perc)
Flora Purim (vo,perc)
Produced by Manfred Eicher
Recorded by Rudy Tony May
Recorded 1972.2.2 & 3