092-325-2766

YAMAHA NS-1 Classics スピーカー 福岡市博多区にて買い取らせていただきました。
こちらは1988年発売、広く音楽を堪能できる再現能力をテーマに開発されたヤマハのクラシックスシリーズのスピーカーシステム。クラシック、オペラ好きのお客様より買い取らせて頂きました。長年使われずに布をかけて置かれたままになっていたようです。多少の経年感がありますが特に目に付く傷や汚れなどはなく、かなりの美品。
ただ残念、音出しチェックをしてみたら片側のツイーターの音が出ない。と思ったら、少しアンプのヴォリュームを上げてみると急に鳴るようになりました。スイープ音でのチェックでも特に異常はなく左右の差異もなく、ツイーターユニットは大丈夫なようでした。ということはネットワークがあやしいかな、という事でフィルムコンデンサーを新品に交換、ブラッシュアップして次のオーナー様に渡したいと思います。
古いコンデンサーの取り外し
背面板の取り外し
背面の板が木ネジで固定されていますので、プラスドライバーでゆっくり一つずつネジを外していきます。あとでまた木ネジを締めるときにネジ穴が削れて空転してしまうのを避けるため、どのネジがどの位置だったかわかるように机に並べて置いておきます。外した木ネジは同じ穴に戻します。

ターミナル部を少し引っ張って、背面板を開けます。
ユニットとの配線接続はファストン端子。簡単に取り外せます。

コンデンサーを取り外す
少しハンダを吸い取りつつ、結線を外していきます。
まぁ、ニッパーで切っちゃえばよいところですが、配線が長さ的にけっこうタイトかもと思って丁寧に外しました。結局あとで先端はニッパーで切りましたけど。
配線ケーブルはFUG HiFi CABLE OFC。違うケーブルでグレードアップしても良いかと思いましたが、改悪になってしまう可能性もあるので、特に変えずオリジナルキープ。

コンデンサーはボンドで貼り付けられいるので、バリッと力技で剥がし取ります。


新品のコンデンサーの取り付け
新品のコンデンサー
用意したのは元と同じ静電容量のフィルムコンデンサー。
音質に定評のあるSolen製、メイド・イン・フランス。
Solen 3.9μF/630V 2個
Solen 8.2μF/630V 2個

仮置き
さて、元のコンデンサーと大きさと形が異なるので、どう置いて配線したらよいか。どうやら元と同じように縦に置いて強引に配線するより、横置きに変えたほうが収まりが良さそうです。

取り付け板の加工
そのまま置くとデコボコになって接着固定に心配があるので、コンデンサーの大きさにあわせて彫刻刀で板(厚紙?)をカットすることにしました。

古いボンドも取り除いて綺麗にします。

コンデンサーの固定、結線
小さい方のコンデンサーからグルーガンで接着して、ハンダで結線していきます。
余分な配線はカットします。

整いました。


音出し、エージング
さっそく元に戻して音出し。ちょっと鳥肌たちました。
明らかに鮮度が違う。解像度がめちゃめちゃ上がりました。びっくりです。
ある程度エージングしないと良い音は出ないかなーと思っていましたが、いきなり良い音。

そして改めてこのスピーカーの音色に感動です。
ヤマハ特有のクリアでやや硬質だけど心地の良い中高域の響き。
しっかりとした個性はありつつも、クセはなくあくまで原音忠実な方向性。表現力。繊細さ。
アルニコ故の艶や倍音も心地良い。程よくバランスの良いタイトな低域。
密閉型なので量感はやや抑えられてますが、深く伸びがあり雑味がまったくない上品感。
名機ですね。楽しい。
サランネットを洗浄、全体を綺麗にクリーニング、ラバーエッジ部にラバープロテクタントを筆で薄~く塗布して優しく拭き取り、10時間ほど音出しエージングして少し音を整えてから販売したいと思います。
