このアルバムは「超幻の名盤」と呼ばれています。当時レコードを購入すると、中にカタログが入っていてこの盤も載っていたようですが、実際には発売されていなかったようで、ブルーノートには実は何枚かそういった幻のアルバムがあったようです。
初めて世に出たのは1990年の限定LPシリーズの特典として。CD化はそれからしばらくたった1993年にEMIが4000番台を全てCD化した時になります。更に1998にルディ・ヴァン・ゲルダー自身のリマスタリングとして再登場。
本人は61年を最後にレコーディングは途絶え、74年に亡くなっておりますが、長い長い年月を経て彼のリアルで太い音が蘇ったのです。
全編5曲とも本当に素晴らしいです。少し寂しげなマイナー調がジワジワときます。
何故これがお蔵入りになったのか本当に不思議な1枚ですね。メンバーも豪華です。
ティナ・ブルックスは、1932年ノースカロライナ州に生まれ、8人兄弟の末っ子。兄のデイヴィット・ブルックスにサックスを学び、アルト、そしてテナー・サックスへと楽器を変え、50代に入りR&Bやラテン・バンドに加わって修行を積みました。57年にブルーノートのアルフレッド・ライオンに気に入られ、数々の録音をしておりますが、リーダー作として当時世に出たものは第2作の1960年に録音された『トゥルー・ブルー』だけでした。
Tina Brooks - Back To The Tracks
ティナ・ブルックス - バック・トゥ・ザ・トラックス
Blue Note
- Back To The Tracks
- Street Singer
- The Blues And I
- For Heavens Sake
- The Ruby And The Pearl
Tina Brooks (ts)
Blue Mitchell (tp)
Jackie McLean (as)
Kenny Drew (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1960.9.1 (2) / 1960.10.20 (1,3-5)