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良いジャケットですね。この作品をそのまま表現しているかのよう。アート・ファーマーと盟友ジジ・グライスの双頭リーダー作です。
A面の4曲は1954年録音でバックはホレス・シルバー、パーシー・ヒース、ケニー・クラークの「WALKIN’」「BAGS GROOVE」などを生んだマイルス・デイヴィス・オールスターズ の最強メンツ、そしてB面の4曲は身内のアディソン・ファーマー、フレディ・レッド、アート・ファーマーという超1級メンツ。
これだけのメンバーながら良くも悪くも癖がなく、ハード・バップにありながら緊張感はあまりなくマイルドでハートウォーミングな内容とも言えますでしょうか。
全編真面目なグライスの作品なので統一感がありつつ、みんな余計なことをしない。そしてファーマーとグレイスの音楽的方向性もおそらくかなりの高い位置で一致しているのでしょうね。ぶつかりません。交互のソロの掛け合いからユニゾンに入るタイミングなど、コンビネーション抜群でなんだか嬉しくなってしまいます。
ファーマーとグレイスが最初に出会ったのは1953年、クリフォード・ブラウンやクインシー・ジョーンズなども在籍したライオネル・ハンプトンの楽団でした。ヨーロッパツアーを共に巡り腕を磨きながら、帰国した後も近所に住み交友を続け、やがてユニットを結成し、バルチモアのティファナ・クラブで共演することになりました。この作品はその後すぐに録音されたものです。お互いをリスペクトしながら1枚のアルバムの完成度を最高レベルの形で残すことに成功した1枚ですね。奇跡の一時です。
The Art Farmer Quintet Featuring Gigi Gryce – When Farmer Met Gryce
アート・ファーマー・ジジ・グライス – ホエン・ファーマー・メット・グライス
Prestige
- A Night At Tony’s
- Blue Concept
- Stupendous-Lee
- Deltitnu
- Social Call
- Capri
- Blue Lights
- The Infant’s Song
Art Farmer (tp)
Gigi Gryce (as)
Horace Silver (p) 1-4
Freddie Redd (p) 5-8
Percy Heath (b) 1-4
Addison Farmer (b) 5-8
Kenny Clarke (ds) 1-4
Art Taylor (ds) 5-8
Supervised by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1954.5.19 (1-4) / 1955.5.26 (5-8)