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この演奏の約1年後に若干31歳の若さで他界してしまったピアニスト、ソニー・クラークの最後の作品。リーダーとしては前作から約2年ぶりの復帰となる6作目です。
派手さはありませんが、クラークのいつものしっとり重たいグルーヴのタッチ、まろやかな旋律、独特のバランス感は健在。『クール・ストラッティン』よりこっちのアルバムの方が好きという方も多いのではないでしょうか。
フロントにはスタンリー・タレンタインの兄のトミー・タレンタインのトランペットと、ベテランのテナーのチャーリー・ラウズ。渋いですね。
そしてアイク・ケベックが2曲目「Deep In Dream」のみテナーのワンホーンで参加しています。クラークのピアノも流石ですが、ケベックの太く優しい演奏が素晴らしく、このアルバムを印象付けています。
しかし、残念ながらケベックも肺がんのため、クラークと数日違いで他界してしまいます。ブルー・ノート・レーベルを支えてきた2人の共演は最後となりました。
リズム隊はこの録音の2週間前にジャッキー・マクリーンの作品『A Fickle Sonance』でも一緒に参加だったブッチ・ウォーレンとビリー・ヒギンス。この2人とは翌年に録音されたデクスター・ゴードンの『GO!』『A Swingin’ Affair』でも一緒で、お互いの長所を引き立てるように少しずつ方向性のズレを修正して進化してく感じ。相性は抜群のトリオですね。
なおさらこの後の60年代の新主流派、フリー・ジャズの流れの中でどのような活躍をみせて行くのか作品を聴いてみたかったです。
ともあれ、最後、となるとそんな心持ちで聴いてしまいそうになって、ジャケットのデザインまでもが悲しく見えてきそうになりますが、作品自体はリーピン・アンド・ローピン(飛んだり、跳ねたり)。ジャズの醍醐味が詰まったグルーヴィで聴きごたえ十分な作品です。
Sonny Clark – Leapin’ And Lopin’
ソニー・クラーク – リーピン・アンド・ローピン
Blue Note
- Somethin’ Special
- Deep In A Dream
- Melody For C
- Eric Walks
- Voodoo
- Midnight Mambo
Sonny Clark (p)
Tommy Tarrentine (tp)
Charlie Rouse (ts) #1,3,6
Ike Qubec (ts) #2
Butch Warren (b)
Billy Higgins (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1961.11.13