マーキューリーのサブ・レーベルであるライムライトよりリリース、1968年録音のポール・ブレイの代表作の1枚です。ジャケットはちょっとサイケデリックな印象ですが、内容はストレートなトリオもの。8曲の内6曲がベースのゲイリー・ピーコックの元嫁のアーネット・ピーコックの曲で、A面の1曲目がポール・ブレイの曲、そしてB面の1曲目がオーネット・コールマンの曲となっております。最初から最後まで淡々としていながらも、ロマンチックで雰囲気が抜群に良い演奏です。
60年代後半と言えばフリーや新主流への流れの中。ポール・ブレイの演奏はその時代の流れとはまた別の独特の世界観を持っていて、というよりはもはやジャズの域からは外れている感すらある彼のスイングしないタッチは、60年代というジャズの転機とも言える時期に強烈な印象を残すのでした。キース・ジャレットなどその後に影響を与えたピアニストは数知れずです。
アーネット・ピーコックはゲイリー・ピーコックと離婚しポール・ブレイと再婚。ポール・ブレイの元嫁はそのゲイリー・ピーコックと再婚。一体どうなってるんでしょ!?
どういう関係性なのかよくわかりませんが、演奏はゲイリー・ピーコックのベースとの絡みがまた妙な間があってとても良い演奏になっているのです。
Paul Bley - Mr. Joy
ポール・ブレイ - ミスター・ジョイ
Limelight
- Only Lovely
- Kid Dynamite
- Nothing Ever Was, Anyway
- El Cordores
- Ramblin’
- Touching
- Blood
- Mr. Joy
Paul Bley (p)
Gary Peacock (b)
Bill Elgart (ds)
Produced by Steven G. Campf
Recorded by Kearney Barton
Recorded 1968.3.10 & 12