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「ゴールデン・サークル」という英語名を持つストックホルムにあるジャズ・クラブ「Gyllende Cirklen」にて1965年に録音された、オーネット・コールマン・トリオによる最高傑作とされるライブ・アルバム。ピアノレスのアルトのワンホーンというミニマムな変則編成です。
何もない空間から降ってくるオーネットの歌うフレージング。デヴィッド・アイゼンゾンのベースとチャールズ・モフェットのドラムは、楽しげに淡々とグルーブを刻み、時に弾ける。
フリー・ジャズというと難解なイメージがあって、どうしても構えて聴いてしまいそうになりますが、全部が全部そういう訳ではないのですよね。音楽をジャンルで括るとイメージが偏ってしまうことがありますよね。これはようするにジャンルで言うと”オーネット・コールマン”。個人的にはこの作品は何かをしながらBGMとして流すことも多いです。ヘビーローテションの大好きな1枚。
オーネットは50年代後半から60年代はじめにかけて、実験的な作品を次々と発表しました。新しい音楽として高く評価される一方、こんなのは音楽ではないと批判もされますが、フリー・ジャズという新しい流れを生んでいき一躍脚光を浴びていきます。しかしそんな中、アトランティック・レーベルとの契約満了、ドン・チェリーとのグループの解散などのきっかけが重なり、1962年12月に自主開催したタウンホール・コンサートを最後に一旦公の場から遠ざかります。そして約3年の活動休止期間を経て同じメンバーで待望の再開。ヨーロッパツアーでの”今”のオーネットの演奏を捉えたのがこちらの作品でした。
この復活は当時「タイム」や「ニューズウィーク」誌にも取り上げられる程センセーションを呼び、かつての批判的だった識者からも評判を得て世界のジャズ賞を総なめにするのでした。3年の空白の期間の内に時代が追いついたということかもしれません。
このジャズ・クラブの名前が世界的に知られるようになったのも、この作品がきっかけだそうです。
The Ornette Coleman Trio – At The “Golden Circle” Stockholm Volume One
ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.1
Blue Note
- Faces And Places
- European Echoes
- Dee Dee
- Dawn
Ornette Coleman (as)
David Izenzon (b)
Charles Moffett (ds)
Produced by Francis Wolff
Recorded by Rune Andreasson
Recorded 1965.12.3&4 at “Gyllende Cirklen”, Stockholm, Sweden