ニーナ・シモンの原点回帰のピアノ弾き語り。心の奥深くまで響きます。殆どピアノと歌だけなのに。
ニーナは1933年にノースカロライナ州に生まれます。4歳からピアノを始め、その才能を認められて地元のバックアップを得て、ジュリアード音楽院に進みジャズだけでなくクラシックも学びます。その後生活費を稼ぐためクラブでピアノを引き始めるのですが、ある時オーナーに勧められ弾き語りで歌を歌ったところ、お客さんに受け、デビューに至りました。ピアノも歌もとても才能に溢れていたのですね。
この作品は彼女が36歳の時に録音されました。1969年です。この年は歴史に残る名盤がたくさん世に出た年でもあります。ビートルズのアビーロード、マイルスのビッチェズ・ブリュー、クリムゾンのクリムゾン・キングの宮殿、ツェッペリンにフーに、ストゥージーズに、、、なんて年なんでしょう。
そんな時にこの作品です。とてもシンプルに、音楽ビジネス的な狙いや策略なんて別次元の話のように、打ちのめされます。圧倒的に美しい歌とピアノに。
実は彼女は1960年代に入り、南部生まれ故の不遇の経験もあってか、キング牧師に賛同し黒人公民権運動に傾倒していきます。この時彼女は売れる歌を歌っていたのではなく、時代を歌っていたのですね。未来への力強い願いを込めて。
This Is "Pure" Nina
Nina Simone – Nina Simone And Piano !
ニーナ・シモン - ソウルの世界~ニーナとピアノ
RCA
- Seems I’m Never Tired Lovin’ You
- Nobody’s Fault But Mine
- I Think It’s Going To Rain Today
- Everyone’s Gone To The Moon
- Compensation
- Who Am I
- Another Spring
- The Human Touch
- I Get Along Without You Very Well
- The Desperate Ones
Nina Simone (vo,p)
Recorded by Ray Hall
Recorded 1969