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ブルース・フィーリング全開。1963年吹き込みのケニー・バレルのリーダー作。共演には同じくブラックネス全開のテナー・マンのスタンリー・タレンタイン。静かに響くコンガのレイ・バレットとの相性もよいですね。リズム隊のメジャー・ホリー・Jrとビル・イングリッシュもとても落ち着いていて知り尽くしているかのような深く濃厚な演奏。
あえてのピアノレス編成なので、よりギターの音色がミニマルにスタイリッシュに渋く鳴り響きます。
メジャー・ホリー・Jrの書いた2曲目「Mule」と、唯一のスタンダードの6曲目「Gee Baby, Ain’t I Good To You」以外は、全てバレルのオリジナル曲。如何に音楽的センスが高いか、感情をギターという楽器に乗せる巧さとバランスの取り方がずば抜けているかこの作品を聴くとよく解ります。こだわり抜いて構成を組んだのでしょう。流れ、雰囲気ともに最高です。
バレルは70年代からカルフォルニアの大学UCLAでジャズを教えているそうですが、そこでデューク・エリントンを研究するコースを設けています。デビュー当時からエリントンのファンだったそうです。影響を受けているのですね。
ちなみに、レナード・フェザーによるオリジナルのライナー・ノーツの冒頭はこう始まります。
デューク・エリントンが書いている。「ブルースはどんよりと曇った寒い日のようなものばかりでもないし、そしてそんな天気が一晩中続くというわけでもない。ブルースは行くあてのない恋の片道切符である。けっして黒いベールを覆うことではない。」
ブルースはそれに触れた人の数だけあるのだ。
Kenny Burrell – Midnight Blue
ケニー・バレル – ミッドナイト・ブルー
Blue Note
- Chitlins Con Carne
- Mule
- Soul Lament
- Midnight Blue
- Wavy Gravy
- Gee Baby, Ain’t I Good To You
- Saturday Night Blues
Kenny Burrell (Gt)
Stanley Turrentine (ts)
Major Holley Jr. (b)
Bill English (ds)
Ray Barretto (conga)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1963.1.8