092-325-2766
モダン・ジャズにおけるトロンボーンの開祖的存在のジェイ・ジェイ・ジョンソンによるハード・バップ初期の名演です。スイング時代は花形であったトロンボーンですが、その時代のどのトロンボーン奏者よりも、レスター・ヤング、ロイ・エルドリッジ、ガレスピーやパーカーからの影響が大きかったそうです。とてもトロンボーンとは思えないバップ・スタイルの卓越した演奏はそこからなのですね。
A面は1953年6月のセッションを収めたもので、サイドメンにはデビューしたてのクリフォード・ブラウンと、ジミー・ヒースに、初代モダン・ジャズ・カルテットそのままのリズム隊、ジョン・ルイス、パーシー・ヒース、ケニー・クラークという豪華な布陣。特にクリフォード・ブラウンが参加している事もあってか、スピード感溢れる内容ですね。
一方B面は1954年の9月に録音されたもの。ワンホーンなので、よりのびのびトロンボーンのソロが聴けます。サイドメンはまだ新人23歳のウィントン・ケリーのピアノに、チャーリー・ミンガスとケニー・クラークに加え、サブのコンガも良いアクセントになっています。
この録音の前1953年頃のジェイ・ジェイは不況の時代という事もあって、既にトロンボーン奏者としては一目置かれていた存在にもかかわらず、青写真技師の仕事をして生計を立てていたようです。その後は上向きになり、1954年にカイ・ウェディングとダブルトロンボーンコンボ”Jay & Kai”を組んで商業的にも成功し、確固たる評価を受ける事になりますが、厳しい逆風に負けず努力したからこそなのかも知れませんね。
Jay Jay Johnson – The Eminent Jay Jay Johnson Vol.1
ジェイ・ジェイ・ジョンソン – ジ・エミネント・J.J.ジョンソン Vol.1
Blue Note
- Turnpike
- Lover Man
- Get Happy
- Sketch 1
- Capri
- Jay
- Old Devil Moon
- It’s You Or No One
- Too Marvelous For Words
Jay Jay Johnson (tb)
Clifford Brown (tp)
Jimmy Heath (ts, bs)
John Lewis (p)
Percy Heath (b)
Kenny Clarke (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1953.6.22 (1-5) / 1954.9.24 (6-10)