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1959年録音。ドナルド・バードの代表作にして、誰もが認めるファンキー・ジャズのブルーノート4000番台屈指の名盤。すべてバードのオリジナル曲というところも聴きどころ。
『Fuego』とはスペイン語で『炎』を意味するそうです。
レコードのピークレベルを超えて少しノイズが乗ったりもしますが、大事なのは迫力と躍動感と勢いです。迸る汗が見えてくるようです。これこそエンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダーの真骨頂なのではないでしょうか。
レックス・ハンフェリーのスネアやタムはバッシバシ、シンバルはグワングワン揺れているのが目に浮かぶ。ダグ・ワトキンスのベースは内蔵をえぐるようなラインで疾走する。デューク・ピアソンの痛快で美しいタッチのピアノ。そしてジャック・マクリーンとドナルド・バードの素晴らしいユニゾンとファンキーだけじゃない極上のもの悲しさも漂う甘いソロ。
当時日本のジャズ喫茶で頻繁にリクエストされて大人気だったそうですが、そりゃそうですよという感じですね。ロックにも通じる前のめり感とキャッチーなメロディ。愛されるわけですね。
そしてこの後、延長線でもあり進化系の、ブルーノート史上最も売れた作品『ブラック・バード』をリリースする事になるのです。
ドナルド・バードは “プロフェッサー・バード”の別名でも知られています。コロンビア大学で黒人音楽や公民権運動について学び、71年には博士号も取得、73年にはハワード大学で音楽主任教授に就任しております。ファンキー?でありながらも自己中心的な自分本位ではない姿勢が音楽にも現れています。
Donald Byrd – Fuego
ドナルド・バード – フエゴ
Blue Note
- Fuego
- Bup A Loop
- Funky Mama
- Low Life
- Lament
- Amen
Donald Byrd (tp)
Jackie McLean (as)
Duke Pearson (p)
Doug Watkins (b)
Lex Humphries (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1959.10.4