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ジャマイカ生まれ、ヨーロッパ育ちのディジー・リース、1960年に録音されたブルーノート3作目です。そしてトランペットのワン・ホーン・カルテット。実はブルーノートにはこの作品と、リー・モーガンの名盤『Candy』の2枚しかない希少な1枚でもあります。
ワン・ホーン故にのびのび歌っていますね。一聴すると地味地味に感じるかもしれませんが、聴けば聴くほど魅力がジワジワ解ってくるような作品です。
イギリスで活動していたリースですが、何故ブルーノートでリリースされることになったかというと、きっかけはなんとマイルス・デイビスだったようです。
リースにはトニー・ホールというマネージャーが付いていて、そのトニーがマイルスにアルバムを送ったところ、マイルスが感激し、それが敏腕アルフレッド・ライオンの耳にも当然入り、58年に1作目を録音することになります。しかもイギリスで録音されたのですが、エンジニアはアメリカから空を飛んでルディ・ヴァン・ゲルダー。かなりの力の入れようだったのでしょう。
そしてマイルスだけでなくソニー・ロリンズも彼の演奏に惚れ、是非自分のグループに入れたいと行っていたそうですが、リースがその後アメリカにやってきた頃、ロリンズは運悪く自問自答の自分との戦いの時期、共演は叶いませんでしたが、少し時期がズレていたらジャズ史はちょっと変わっていたかも知れませんね。
サイドメンの演奏にも注目です。ピアノはウォルター・ビショップ、ベースにダク・ワトキンス、ドラムはアート・テイラー、何れもハード・バップ時の名手たち。安定の手堅いリズム陣。音数が少ない分、音の間が大事になってきますが流石です。
60年代に入りニューヨークのジャズシーンが苦境の時代に入ったこともあり、またヨーロッパに戻ってしまうので、この作品がブルーノートでの最後の作品になります。その後も70年代に入りフランスのフュチューラレーベルから傑作『From In To Out』をリリースしております。
Dizzy Reece - Soundin’ Off
ディジー・リース – サウンディン・オフ
Blue Note
- A Ghost Of A Chance
- Once In A While
- Eb Pob
- Yesterdays
- Our Love Is Here To Stay
- Blue Streak
Dizzy Reece (tp)
Walter Bishop, Jr. (p)
Doug Watkins (b)
Art Taylor (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1960.5.12