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ブルーノートらしい大胆でオシャレなジャケットですね。1966年録音、ジャズ・ヴァイブ奏者ボビー・ハッチャーソンのリーダー3作目。ヴァイブ特有の響きがとても美しく、録音も素晴らしいです。
ヴァイブ奏者といえばスイング時代のライオネル・ハンプトン、モダン化を確立したミルト・ジャクソンでしょう。そしてその後継は誰かと言えば新主流派のハッチャーソンと言えるかと思います。50年代のハード・バップ全盛以降、モードやフリーへの変革の時期、60年代に入ると新主流派と呼ばれる流れがありました。その中にあって正統派かつ硬派な形でジャズ・ヴァイブを確立したのはハッチャーソンでした。
この作品のメンバーはそんな新主流派のスターを集めて録音されました。ピアノにハービー・ハンコック、後に腰を悪くしてエレキベースに持ち替えるウッドベースの時のボブ・クランショウ、そしてクールで前衛的なドラミングのジョー・チェンバース。これ以上無い布陣ではないでしょうか。ホーンが入っていないので、ヴァイブの響きとピアノの響きがとても際立っています。
3曲目だけハッチャーソンのオリジナルではなく、ハンコック作の”処女航海”(Maiden Voyage)ですが、オリジナルではホーンが入っていますが、こちらは入っていないのでよりシンプルでクールですね。ちなみにハッチャーソンはこの録音以前に”処女航海”を聴いていなかったらしいです。なんだかなるほどと思ってしまう、オリジナルを凌駕する名演です。
Bobby Hutcherson – Happenings
ボビー・ハッチャーソン – ハプニングス
Blue Note
- Aquarian Moon
- Bouquet
- Rojo
- Maiden Voyage
- Heat Start
- When You Are Near
- The Omen
Bobby Hutcherson (vib&marim)
Herbie Hancock (p)
Bob Cranshaw (b)
Joe Chembers (ds)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded 1966.2.6