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1968年6月15日に行われたスイスのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライブ録音。会場の近くのレマン湖のほとりに建つ古城の写真がジャケットで使われており、この盤の通称は「お城のエヴァンス」。このフェスの名前を一躍世界中に広めた作品としても知られております。
ビル・エヴァンスは50年代中頃よりピアニストとして注目されるようになり、58年にマイルス・デイビスのグループに加わり評判を得ます。その後自身のトリオを結成しベーシストの盟友スコット・ラファロと出会い、のちのピアノ・トリオの在り方に大きな影響を与えるインタープレイというスタイルを創り出します。
ところが61年に交通事故によりラファロは残念ながら他界。その後エヴァンスはたくさんのベーシストと組みますがなかなかラファロに匹敵する名手には出会えませんでした。
そんな中66年よりトリオに参加したのが若手のエディ・ゴメスでした。かつてのインタープレイを彷彿させるグイグイくる演奏。そしてこの時まだ無名であったドラムのジャック・ディジョネットがこのライブに参加。こちらもビシバシグイグイ。エヴァンスのピアノも若い2人に触発されていつになく活き活きしております。リリカルだけじゃないハードな一面が引き出されておりますね。まさしくエヴァンスのベスト・パフォーマンスを収めた1枚。
録音はやや固めでシャープな印象がありますが、前のめりな良い緊張感も封じ込められております。息を飲むお客さんの雰囲気も。素晴らしい録音。いくら技術が進歩しても完璧なバランスやイコライジングも、音の魅力とは決して比例するものではないのですよね。むしろその出ているところや引っ込んでいるところなどに個々の盤の魅力があったりしますね。
でも何回聴いても冒頭のアナウンスが個人的にはどうしても余計に感じてしまうけど。。w
Bill Evans – At The Montreux Jazz Festival
モントルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス
Verve
- One For Helen
- A Sleeping Bee
- Mother Of Earl
- Nardis
- I Loves You Porgy
- The Touch Of Your Lips
- Embraceable You
- Someday My Prince Will Come
- Walkin’ Up
Bill Evans (p)
Eddie Gomez (b)
Jack DeJohnette (ds)
Produced by Helen Keane
Edited By, Remix – Bob Schwarz
Engineer – Jean-Claude Martin, Pierre Grandjean
Engineer [Engineering Director] – Val Valentin
Recorded 1968.6.15 at the Casino de Montreux, Switzerland by the technical department of Radio Suisse Romande.