バッハやベートーヴェンなどクラシックを中心にレコード150枚程、山口県萩市にて出張買取させて頂きました。ありがとうございます!
私、中学生の頃にギターを手にしてからというもの、今に至るまで音楽のことばかり考えて生きて来たかと思いますが、クラシックについては全くの無知で興味を持ったことがありませんでした。もちろん街中やテレビやどこでもクラシック音楽は溢れているので、いい曲だなと思うことはありますし、義務教育でも教わるので有名な曲は誰の作曲ということくらいはわかりますが、正面から向き合ってじっくり聴くということをしたことがありませんでした。
今回たくさんのレコードをお譲り頂いたので、いい機会と思い1週間かけて盤の再生チェックをしながら、解説書を全て読んでみました。クラシックは解って聴くのと解らないで聴くのはまるで違うとよく言われますが、確かにそうだと思う半面、初めて通して聴く時の感覚はまるで初めてプレイを聴くテクノのDJに似ているなとも感じました。そんなこと言うと怒られそうですが、驚く転調や展開だったりいつの間にか音楽の中に自分が入り込んでいく感覚は非常によく似ています。あ、逆ですね。DJが実はクラシックなんですね。というか、いつのまにか自分の中に出来上がってしまった固定観念やジャンルで音楽を聴き分けるのが間違いということですね。
次々と順番に聴きながら音が数音流れた瞬間に鳥肌が立ったのは、無伴奏チェロ組曲でした。たった一つの楽器でここまで感動できる音楽がありましょうか。チェロの音色も素晴らしく深い。改めてちゃんとしたオーディオで聴くと全然違いますね。
この組曲が作曲されたのは推定1720年頃。バッハの死後練習曲としてしか扱われず200年近く埋もれていたようです。初めて完全な形で演奏されたのは1901年だそうです。割と最近なんですね。要するにバッハのセンスは200年先を行っていたということですね。超先鋭的だったんですね。
それと解説冊子を読んでいて面白いと思ったのは、難しい単語や用語がたくさんあるので書かれていることの1割くらいしか理解できていないのではないかとは思いますが、書いている人の情熱が溢れ出ているということ。すごく理性的に解説されておりますが、好きでたまらないという感情がはみ出ています。その感じはロックもジャズもテクノもヒップホップも一緒ですね。格調高い文章で、ヤベー、スゲー、ということが書かれていました。あまり歴史的だったり古典的だったり固くならずに、現代的に紹介しても良いのではないかと思いますね。実はテクノと一緒ですよと。