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発売は1991年。コストを無視してパフォーマンス重視で作られたアンプ内蔵型のモデル。現在の現行モデルはSCM50ASL PROで価格は200万円。少しだけ幅が小さくなっていますね。更に改良されたバージョンではあると思いますが、このSCM-50Aの中古価格は30~50万円程なので、その価格差ほどに音の差があるのかどうかは聴き比べてみたいです。現代ソースに応じてのスタジオでのモニターライクな使い方であれば新しい方が良いかもしれませんが、音楽を朗々と鳴らすというのはまた別の話ではありますしね。
50という数字は箱の内容量が50Lということで、上位機種のSCM-100Aはつまり倍の容量。50Aの方は重量が59kgとヘビーではありますが、見た目やサイズは一般家庭でも収まりがよく、頑張れば一人でセッティングできなくもないので、プロ機としてだけでなくオーディオファンからも世界的に人気があるようです。
アクティブ仕様なので、ウーファー、ミッド、ハイの3チャンネルのマルチドライブアンプを内蔵しています。なぜ内蔵かというと、サウンド・エンジニアの為に使う場所やパワーアンプによって音が変わらないようにという理由もありますが、しっかりそれぞれのユニットを駆動させるための適正なパワーを加える為です。ATCのスピーカーはイギリス製になりますが、アメリカのJBLのように明朗快活にパワフルに鳴るというよりは、やや暗め、というと語弊があるかもしれませんが大型でもブックシェルフでも鳴らしにくいという印象があります。たぶんそれなりのパワーとスピード感のあるアンプでないと能力を発揮できないのではないかと予想されます。その点こちらは各ユニットにベストマッチに設計されたアンプが内蔵されネットワークが組まれているのでバッチリ。外部パワーアンプの能力に左右されないというのも利点ですね。シンプルにプリやプレーヤーの音を伝えることもできると思うので、イメージした音に近づけやすいかもしれません。
実際の音はとにかくリアルでクリーンです。久しぶりにスピーカーが消えるという感覚を感じました。電源を入れてすぐは少し重い感じがありましたが、しばらく温めると音が整います。最近のスピーカーにありがちな変に広がりを拡張されたり艶々に作られている感じもなく、密度や奥行き感も極々自然でなめらか。得意不得意もないですね。どんなジャンルの音楽も余裕という感じです。